太り痩せる。それも人生!

デブったり痩せちゃったりの話

精神のバランスを崩し、どんどん食べていたころを思い出します。

もう5年近くも前になるのですが、とある病気になったことがきっかけで精神のバランスを崩し、精神科のお世話になりました。
向精神薬など数種類の薬を処方され、数か月にわたって服用したのですが、異様に眠くなったり、顔つきがぼんやりしたりと体にいろいろな変化が現れ、戸惑いました。
それより驚いたのはどんどん太り始めたことです。
私はもともと痩せ型でしたが、精神科の薬を飲み始めてからなぜか太りやすい体質になったような気がしました。
また、明らかに食欲も前より増してしまいました。
特にお腹がすいていないのに、食べないと落ち着かないような気がしてどんどん食べ物に手を出すようになってしまったのです。
薬が効いている間は精神的に落ち着いているはずなのに、どこか焦りのような、空虚な感じがするような、妙な心地がぬぐい切れず、それを埋めるように食べ物に手を出していたと思います。
また、私はもともと少食で少し食べすぎると胃が痛くなったり、もたれたりしていたのですが、この時はなぜかいくら食べてもそういったことが起こりませんでした。
体が食べ物を欲しているというより、心が欲しているようで、常に精神的な飢餓感を埋めるために食べていたような気がします。
食べるという行為に中毒になっていたという感じでしょうか。
当然のように体重が増え、顔も体もすっかりむくみ、肌荒れもひどくなりました。
しかし幸いにも薬を飲んだことで精神が上向いてきたのかもうこんなことやめたい、辛い、という気持ちが食べたいという気持ちよりも強くなり、自然と食欲は元に戻っていきました。
予定よりだいぶ早かったのですが、向精神薬をやめたいと病院に申し入れ、薬もやめることができました。
断薬したことでややきつい離脱症状が出ましたが、とにかくやめられたという開放感の方が大きかったので耐えることができました。
あちこちむくんだところはなかなか元に戻りませんでしたが、精神が完全に落ち着きを取り戻したころ、自然に元の体形に戻ることができました。
今はすっかり心も体も回復し、健康な毎日を送っていますが、時折ふと、食べ物を見ると食べずにはいられなかったころの精神状態を思い出して辛くなります。
心のどこかが常に乾いているような、ぽっかりとした虚無の穴が開いているような感じ、そして食べ物でそれを埋めようとした私、どれも辛い思い出です。
それと同時に、空腹でも我慢できる今の自分にほっとしています。
やはり精神的な健康は何が何でも保つようにしなければ、と思っています。